先入観の向こうに
自分のことを爽やかだと思ったことは多分ない、川崎明宙です。
この週末は能楽の舞台に出ておりました。舞台を無事務めることができてとりあえずひと段落ついたのですが、次の舞台に向かってまた稽古を始めております。
昨年、能と西洋音楽を融合した舞台のエキストラをしたときの写真(@楽屋)です。新しいものの創造の難しさを感じるとともに、玄人の稽古の厳しさを肌で感じました。
私は生まれてから、ずっと京都府にいます。この話と、能楽の稽古をやっている、という話を合わせてすると、みなさんよく勘違いされます。さも僕が、京都の古い町並みが残る場所に住んでいて、伝統を大事にする場所で育って来た人であると思われる人が多いようです。
しかしながら私が住んでいるのは、京都府の南の端にある新興住宅地であり、能楽の稽古も大学に入ってから始めました。うどんよりラーメンがいい典型的な現代っ子です。
お話しようと思っているのも、こういう思い込みについての見方です。
それでは、少し話がでてきた、京都について話してみましょうか。
京都のイメージというと、「町家」、「舞妓さん」、「着物」、「お寺」、「抹茶(本場は京都市じゃなくて宇治やで?笑)」といった感じのものが良く上がってきます。実際に観光パンフレットも、こういったものをたくさん取り上げています。
私はこれを否定するつもりは全くありません。町屋をみればいいなと思いますし、バイト先には舞妓さんがくるし、寺に行くことも良くあります。能楽の舞台のときは(Made in Kyotoかどうかはわからないけど)着物を着るし、スタバの抹茶味はおいしいですよね(この言い方してる時点でスタバにあまり行かないことバレバレですが)。
けれども、これだけが京都でしょうか?京都では、みんなが着物を着て歩いていて町屋に住んでいるのでしょうか。
そんなことはないですよね。もちろん、そういう方もいらっしゃいますが、ほとんどの人はそうではないわけです。洋服を着て、マンションや建売の洋風の家に住んでいる人がほとんどです。
それだけじゃありません、京都には、京セラ、日本電産、村田製作所をはじめ、技術力を持った、日本を代表する企業がたくさんあります。私の通う京都大学は日本で最も多く自然科学分野でノーベル賞受賞者を輩出した大学です(文学賞や平和賞をいれると東京大学の方が多いですが)。科学技術といった点でも京都は重要な地位を占めています。
また、世界でブームを巻き起こした任天堂の本社は京都にあり、ポップカルチャーの面でも(ポップカルチャーというとAKBの横山由依は僕の中学の先輩です!)強い影響力を持っています。
こんな感じで切り口を少し変えて見てみると、今まで見えてこなかった側面が見えてきます。京都の話は、決して京都の自慢をしたいわけではなくて(もちろん好きですけれども...笑)それを実感してもらいたかったからです。
僕があげた例は一般的なものなので、そんなの知ってるよというものばかりだと思うのですが、知っていることでも、いざバイアスがかかってしまうと。見えなくなってしまうことは良くあるわけです。
人は第一印象であったり、世間で常識的に言われていることに縛られやすい傾向があります。そして一旦その視点に縛られてしまうと、そこから離れるのが難しくなります。
けれども、そこから離れてみたときに、もっと広い世界が広がっていると思うのです。
日米学生会議での討議、FT、RTを通じて、この視点を忘れずに臨みたいと思っています。先入観を離れた時に見えるもの、それが私が見たいものです。
それでは、次の人にバトンを渡します。マイノリティRTのあやのです!僕の部活の同期の高校のときの後輩という(近いのか遠いのかわからない...)、知り合いの知り合いでした。
インターンの途中にJASCの面接に突撃するタフな精神の持ち主です。面白い話を楽しみにしています!